あれから4年.
この季節が来ると,この1年はどんなことが出来たのかなぁと反省します.年末よりもいまの方が深く反省しているかも.将来の日本の役に立つと信じて,日々の努力を継続中.
別の記事にも書きましたが,「日本のプレゼンスのため」という(なんとも曖昧な)理由で,国際技術委員会の委員長をやっています.委員長の仕事を全うすること自体が,世の中の役に少しは立つと信じたい.
それと,委員会を通して世界中に研究仲間が出来ました.これを活かして,研究の面でも日本の役に立ちたいものです.いまはまだ方法を模索している段階.
2014年度は新しい研究プロジェクトに参加できました.これまでの研究成果を活かせる内容です.研究期間はあと半年ほど.まだ成果は出ていませんが,頑張ります.少しは日本の科学・技術の発展に貢献したい.
4月からは研究テーマの見直しもしようと思っているところ.自分の強みを活かせる分野に集中したい.
それから,2014年度は13年度に引き続き,ビデオ教材をたくさん作って公開し,うれしいことに役に立ちましたといってもらえることも増えました.
今年も改善していきます.こっちでもやりたいことはたくさんある.
今年も初心を忘れず,引き続きがんばります.
2015年2月9日月曜日
国際技術委員会の委員長に就任・ACからのプレッシャー編
金野が技術委員会(Specialist Committee、SC)の委員長になるまでの話をこれまで書いてきましたが、技術委員会は上位の委員会(Advisory Council、AC)から仕事(Terms of Reference、TOR)を与えられて、それを3年かけて実施するのが通常の流れです。前期もそのように実施してきました。
しかし今期は、われわれの委員会だけ通常とは違う手順で進むことになりました。
最初の1年程度で、われわれSCからACに対して、自分たちの仕事を逆提案します。ACはそれを検討し、改めてTORを決めます。SCは残りの2年間、そのTORに基づいて仕事をします。
これは前期の終盤のごたごたが関係しています。
TORは公開されているので誰でも読むことができます。そこにばっちり書いてありますが、前期のIce委員会は終盤に前委員長が急に辞任し、ガイドライン(性能試験の実施方法の緩やかなルール)の改訂が受け入れられず、たくさんの成果を残したとは言えない状況でした。
(ここに関してはいろいろ言いたいことがありますが、自粛しておきます。)
そこで今期は、ACがわれわれのSCの活動をこれまで以上にサポートすることになっています。(監視の意図もあると思います。)また、最初の年にこちらからTORを提案し、ACの承認を受けます。
とはいえどんなTORを提案してもよいわけではなくて、Task 1~3が決まっています。
Task 1: 平坦氷に関連した既存のガイドラインのレビューと改訂の提案
Task 2: 複雑氷に関連した…(以下おおよそ同じ)
Task 3: マネージドアイス中構造物に関するレビューとベンチマークの提案
最後の「マネージドアイス」というのは、大きな氷が構造物にぶつかってくると困るので、それを砕氷船等で小さく砕いた状態のものを指します。
昨年9月の総会で、ACの委員でTORの変更を提案した人と、長時間に亘って議論しました。
こちらの言い分もいろいろ言いました。またこの人を含め、われわれの委員会を担当するACのワークグループ(WG1)全員と打ち合わせました。皆、協力を約束してくれました。
自分は、いかにも日本的な(?)立ち回り方をしている気がします。筋を通して、根回しして。委員長らしく活動していると言えるのでしょうか。
こういう動きが得意なわけじゃないんですが、こっちは初めての国際委員会の委員長だし、向こうはベテランです。懐に飛び込んで、本音で語ったほうがいいだろうと感じました。
しかしこのやり方が国際委員会で通用するものなのかどうか。任期の3年間で、それが見えてくることと思います。
今月(2015年2月)に、第1回の委員会を開催しました。この話は次の記事で。
2015年2月6日金曜日
国際技術委員会の委員長に就任・総会での出来事編
推薦されるまで編の続きです。
金野は日本から国際技術委員会の委員長に推薦されたが、金野よりベテランで、水槽を持っている組織に所属しており、押し出しもよく英語も話せる委員がほかにいる、という話を前の記事に書きました。金野はよくて第2候補、実際にはもっと下位の候補だっだと推測しています。
しかしながら、2014年9月のITTC総会で、金野は委員長になっちゃいました。
これにも理由があって、委員のノミネートにトラブルがあって、委員長候補だと金野が思っていた人物が、そもそも委員に推薦されなかったからです。(おい!)
委員に推薦されなかったら、委員長になるわけがないよねぇ。
(この文章は正確ではありませんが、実態をおおよそ反映しています。)
ITTCの北ヨーロッパ地域の代表は、技術委員の候補を組織代表にメールで問い合わせたらしいのですが、組織代表が定年退職したとか転職したなどの理由で、いくつかの組織ではそのメールを受け取った人がいなかったのだそうです。
ノミネートされなかった委員はフィンランド2組織の2名。どちらも前期の委員会で活躍した実力者です。この二人が委員会から抜けると痛い。
彼らを何とか委員にねじ込むことが、その時点ではまだ委員長に就任していなかった金野の、28期の最初の仕事になりました。
二人が委員候補リストにノミネートされていないことが分かったのが、総会最終日の前夜。慌てて本人に連絡し、意思を確認。二人とも委員を継続する意志があったので、次に北ヨーロッパ代表に会って、委員の追加をお願いしました。
北ヨーロッパ代表から言われたのは、「組織からの推薦が要る」。それと「12時からの会議に間に合えば入れられる。」
それを言われたのが、総会最終日の朝10時過ぎでした。
いやーメールというものがあってよかった。
焦る気持ちを抑えながら委員候補にメールして、組織代表に連絡を取ってもらいました。また、一方の組織は日本の委員が組織代表を知っていたので、その委員からもメールで依頼してもらいました。
11時過ぎぐらいに、何とか推薦状のPDFファイルが手に入りました。総会の会場受付に走って印刷してもらい、会議直前に北ヨーロッパ代表をつかまえて推薦状を渡しました。
同時に、日本代表の先生にもバックアップを依頼。
いまメールを見返してみても、よく間に合ったなぁと幸運に感謝する気持ちになります。
その節は日本の委員の方々にお世話になりました。いまさらではありますが御礼申し上げます。
というわけで二人の候補者はめでたく委員になり、金野もめでたく(?)委員長に就任した、というわけなのでした。
この他にもカナダの委員のノミネートの齟齬があり、それをカナダの組織代表に話して南北アメリカの地域代表と相談してもらうなど、委員長らしく暗躍(?)しました。
話が長くなりましたが。
金野が委員長になったのは、上記のようにいろいろな思惑や偶然が重なった結果です。実力や実績では、金野より優れた委員が入っています。
金野ができることは、上位の委員会と連絡を密にし、丁寧に委員会を運営して、できるだけ実りのある結果を得られるように、委員に働きかけていくことぐらいでしょうか。
実はITTC総会の場で、上位の委員会(AC)からプレッシャーをかけられました。
この話は長くなりそうなので、稿を改めます。
2015年2月5日木曜日
国際技術委員会の委員長に就任・推薦されるまで編
昨年の11月から更新していませんでした。忙しさにかまけて。
昨年の反省もありますが、まずはここ数日のことを。2月3日と4日に、ITTC Specialist Committe on Iceの会合を主催して、外国人の委員を相手にいろいろ議論しました。
このブログには書いていませんでしたが、昨年9月にコペンハーゲンで開かれたITTC総会で、Specialist Committee on Iceのchairに任命されました。日本語に直訳すると、氷の専門家委員会の委員長です。
(ITTCのCommittee Membersのページに記載されています。)
専門家委員会と言うとピンとこないので、説明するときは「国際技術委員会の委員長のことだ」と言っています。
なおITTCというのは、International Towing Tank Conferenceの意味で、直訳すると国際曳航水槽会議となります。(国際試験水槽委員会、と訳されることが多いですが。)船舶の性能試験の方法を議論したり、ルールを決めたりします。
はじめに、委員長になった経緯を書いておこうと思います。
「国際技術委員会の委員長」というと、なんか立派な感じがしますね。実際、昨年の9月に参加したITTC総会で出会った他の技術委員会の委員長たちは、押し出しが良く、英語もペラペラ、プレゼンテーションも総じて上手で、できるビジネスマンという感じの人たちでした。
なのに俺かよ。
…それにはわけがあります。
金野は2011年(第27期)からITTCの技術委員を務めています。通常は、曳航水槽と呼ばれるプール形状の実験設備を持っている組織から委員が出るのですが、うちの大学は曳航水槽を持っていないので、そもそも委員になるのが不自然ではあります。たとえば海上技術安全研究所やJMUには氷海試験水槽があるので、そちらから委員が出るのが自然です。実際、どちらの組織にも金野より適任だと思われる、実験に詳しい方が所属しています。
ではなぜ金野が委員になったかというと、海技研とJMUに委員を出すのを断られて、他に人がいなかった、というのが実態です。恩師から話が回ってきて、悩みましたが、いくらかでも日本の(業界の)役に立てるかと思い、引き受けて、3年間務めました。
(日本でも委員会を開いたりしました。)
ITTCの委員は、通常は2期(6年間)務めます。金野もあと1期は義務だと思っていました。
昨年、日本から次の期の委員を出すための会議がありました。金野は委員候補に入り…そこまでは想定どおりだったのですが…「委員長候補」として推されることになりました。
え。なんで。
「日本のプレゼンスのため」だそうです。
(ここは議論があるところだと思います。金野もちゃんと理解しているとは言い難いです。)
貨物船などの船舶は国境を越えて運航されるので、国際的なルールに則って設計・製造・運用される必要があります。だから性能試験方法を議論するITTCは、日本の造船業界にとってはときに重要な意味合いを持つ場合があり、蔑ろにできません。
そこで、ITTCの中で日本が存在感を示すために、委員長を出せるなら出したい。そういうことのようです。
ではほかの委員会の委員ではなく、なぜ氷の委員を委員長に推薦するのか。
前期の委員長はドイツ人でした。金野はそれなりにがんばって委員会に出席し、仕事をしてきたつもりです。
それが評価されたのか、はたまた東京での会議の夜にしゃぶしゃぶを食べさせた印象がよかったのかは分かりませんが、金野は前委員長から「次期委員長の候補である」という推薦を受けていたのだそうです。そこで日本代表が金野を委員長に推薦することにした、というわけです。
…というとかっこいいですが、金野は前委員長が前の委員の多くを委員長候補として推薦したに違いないと思っています。
なぜかというと、金野よりベテランで、水槽を持っている組織に所属しており、押し出しもよく英語も話せる委員がほかにいたからです。金野はよくて第2候補、実際にはもっと下位の候補だっだと推測しています。
しかしながら、2014年9月のITTC総会で、金野は委員長になっちゃいました。
ここにも裏話があるのですが、長くなったので稿を改めます。
2014年11月4日火曜日
10,000時間ルールと20時間ルール(?)について
10,000時間ルール(Googleで検索して下さい、たくさん出てきます)に関して、授業中に触れたことがありましたが、上記に貼り付けた動画を観ていて、もしかしたら正しくない説明をしていたかもしれないと気づいたので、改めて説明します。
10,000時間ルールというのは、その分野のトップクラスの実力をつけるために必要な訓練時間です。具体的には、チェスのグランドマスターとか、国代表レベルのトップアスリートに至るまでの訓練時間に関する調査結果に基づいています。
「一流になるのに必要な訓練時間」と考えて良さそうです。
講演者のJosh Kaufman氏は上記の動画のなかで、ちゃんとできるようになるための必要時間(←ここ意訳。本当の表現は「何も知らない状態から、自分自身にびっくりするぐらいできるようになるまでの時間」)として「20時間」を挙げています。
もちろん、その20時間の過ごし方がとても重要で、…あとは動画を観てください。講演者本人による実例も出てきます。(英語)
2014年10月27日月曜日
「絵とき 機械工学のやさしい知識 改訂2版」が出版されました!
オーム社さんから「絵とき 機械工学のやさしい知識 改訂2版」が出版されました!
第1版は(故)小町弘先生と吉田裕亮先生の手によるもので,1990年に出版されています.それから24年が経ち,内容を改めるにあたって,都立足立工業高校の櫻井美千代先生と金野がお手伝いしました.
金野は1,2,6,7章を担当しました.この章の写真集めや撮影に,工学院大学の先生方や,うちの研究室の学生さんにご協力いただきました.この場を借りて御礼申し上げます.
機械工学をこれから学ぶ学生や,若い技術者の方にとって役立つ内容になっていると思います.改訂前と同じ価格(税抜きで2,700円)で購入できます.
先日出版された本は,高価だったので安易にお勧めできませんでしたが,今回はお勧めしても怒られない価格かと思います.
書店などで是非お手にとってご覧下さい.
小町 弘 吉田 裕亮 金野 祥久 櫻井 美千代
オーム社
オーム社
2014年10月26日日曜日
キャビテーションについて・お問い合わせになる前にお読みください
以前にキャビテーションの研究をしていたため,現在でもキャビテーションについて,たまに問い合わせを受けることがあります.しかし多くの場合は「それは私には分かりません」または「それはキャビテーションじゃないと思います」と答えることになるので,心苦しく思っています.
お問い合わせになる方は,事前にこの記事をお読みいただけると幸いです.
1.金野はキャビテーションの研究から,10年以上離れています.
金野がキャビテーションの研究に関わったのは,2000年までです.2001年からポスドク研究員として氷海技術に関わる研究プロジェクトに傭われ,キャビテーションの研究から離れました.
現在はキャビテーションの研究をしておりません.
なお,キャビテーションの入門的な知識は,下記のページにまとめてあります.
2.金野が学んだ「キャビテーション」とは,流れの中で圧力低下によって液相が気相に変化する現象です.
(上記の定義を,説明の便宜上「定義1」と呼びます.)
一部の書籍では,空中から水中になにかが投げ入れられたり,飛び込んだりしたときに,水中に気泡が観察される現象を(も)「キャビテーション」と呼んでいるものがあるそうです.
(「定義2」と呼びます.)
私は定義2をキャビテーションと呼ぶのは間違いで,定義1のみをキャビテーションと呼ぶのが正しいと思っています.
またいずれにせよ,金野は定義2で示される現象の専門家ではありません.ですので定義2のような現象についてお問い合わせいただいても,適切な回答ができないと思います.
3.観察される現象が,上記の「定義1」と「定義2」のどちらなのかを見分ける方法は?
定義1,2のどちらの現象も,液中に気泡が観察されるので,見分けづらいかもしれません.見分けるポイントをご説明します.
圧力が回復したとき,気泡がすぐに消える,またはすぐに非常に小さくなる.→定義1と考えられます.
圧力が回復しても,気泡が消えず,ある程度の大きさのまま浮き上がる.→定義2と考えられます.
定義1の現象で発生した気泡は,中身が液相が気相に変化して発生した気体です.液相が水だったら,気相は水蒸気です.圧力が元に戻ると,気相は速やかに液相に戻りますので,気泡はすぐに収縮します.
「速やかに」というのは,マイクロ秒のオーダーです.通常のビデオカメラで観察できるスピードではありません.一瞬で泡が消えたように見えるはずです.
定義2の現象は,泡が水中に残ります.泡の中身は空気で,水蒸気ではありません.ですので圧力が高くなっても,泡は消えずに残り,水面に向かって浮き上がります.
(圧力の高低によって体積は変動します.)
4.専門的な補足
少し専門的なことを補足します.
○定義1の「流れの中で」という言葉について
キャビテーション(定義1)は,流れが原因で圧力が低下し(ベルヌーイの定理に基づく),液相が気相になる現象を指します.
流れ以外の原因で圧力が下がり,それによって液相が気相になるのは,減圧沸騰と呼ばれる現象です.これはキャビテーションとは区別されます.
○定義1の場合に「またはすぐに非常に小さくなる」と補足してある理由
定義1の場合に,圧力が回復したとき,気泡がすぐに消える,またはすぐに非常に小さくなる,と述べました.この「またはすぐに非常に小さくなる」のところを説明しておきます.
キャビテーションが原因で水中に溶け込んでいるわずかな空気が集められて,小さな気泡が残る場合もあります.この場合,キャビテーションで発生する気泡に対して,残る気泡はごくごく小さいものです.
定義1の現象には,自由表面の有無は現象に直接影響しません.(ただし,重力場の下では水面に近い方が圧力が低いので,水面に近い方がキャビテーションが起きやすいです.)
定義2の場合は,自由表面が無ければ,気泡は発生しません.物体が水中に飛び込むときに空気を巻き込むから気泡が観察されるわけで,巻き込む空気がなければ気泡は観察されません.
以上,金野がかつて学んだ知識をもとに書いてみました.お役に立てば幸いです.
お問い合わせになる方は,事前にこの記事をお読みいただけると幸いです.
1.金野はキャビテーションの研究から,10年以上離れています.
金野がキャビテーションの研究に関わったのは,2000年までです.2001年からポスドク研究員として氷海技術に関わる研究プロジェクトに傭われ,キャビテーションの研究から離れました.
現在はキャビテーションの研究をしておりません.
なお,キャビテーションの入門的な知識は,下記のページにまとめてあります.
研究テーマ: キャビテーションによる壊食現象
2.金野が学んだ「キャビテーション」とは,流れの中で圧力低下によって液相が気相に変化する現象です.
(上記の定義を,説明の便宜上「定義1」と呼びます.)
一部の書籍では,空中から水中になにかが投げ入れられたり,飛び込んだりしたときに,水中に気泡が観察される現象を(も)「キャビテーション」と呼んでいるものがあるそうです.
(「定義2」と呼びます.)
またいずれにせよ,金野は定義2で示される現象の専門家ではありません.ですので定義2のような現象についてお問い合わせいただいても,適切な回答ができないと思います.
3.観察される現象が,上記の「定義1」と「定義2」のどちらなのかを見分ける方法は?
定義1,2のどちらの現象も,液中に気泡が観察されるので,見分けづらいかもしれません.見分けるポイントをご説明します.
圧力が回復したとき,気泡がすぐに消える,またはすぐに非常に小さくなる.→定義1と考えられます.
圧力が回復しても,気泡が消えず,ある程度の大きさのまま浮き上がる.→定義2と考えられます.
定義1の現象で発生した気泡は,中身が液相が気相に変化して発生した気体です.液相が水だったら,気相は水蒸気です.圧力が元に戻ると,気相は速やかに液相に戻りますので,気泡はすぐに収縮します.
「速やかに」というのは,マイクロ秒のオーダーです.通常のビデオカメラで観察できるスピードではありません.一瞬で泡が消えたように見えるはずです.
定義2の現象は,泡が水中に残ります.泡の中身は空気で,水蒸気ではありません.ですので圧力が高くなっても,泡は消えずに残り,水面に向かって浮き上がります.
(圧力の高低によって体積は変動します.)
4.専門的な補足
少し専門的なことを補足します.
○定義1の「流れの中で」という言葉について
キャビテーション(定義1)は,流れが原因で圧力が低下し(ベルヌーイの定理に基づく),液相が気相になる現象を指します.
流れ以外の原因で圧力が下がり,それによって液相が気相になるのは,減圧沸騰と呼ばれる現象です.これはキャビテーションとは区別されます.
○定義1の場合に「またはすぐに非常に小さくなる」と補足してある理由
定義1の場合に,圧力が回復したとき,気泡がすぐに消える,またはすぐに非常に小さくなる,と述べました.この「またはすぐに非常に小さくなる」のところを説明しておきます.
キャビテーションが原因で水中に溶け込んでいるわずかな空気が集められて,小さな気泡が残る場合もあります.この場合,キャビテーションで発生する気泡に対して,残る気泡はごくごく小さいものです.
○自由表面の影響
定義2の場合は,自由表面が無ければ,気泡は発生しません.物体が水中に飛び込むときに空気を巻き込むから気泡が観察されるわけで,巻き込む空気がなければ気泡は観察されません.
以上,金野がかつて学んだ知識をもとに書いてみました.お役に立てば幸いです.
登録:
投稿 (Atom)



