Rocks Cluster Distributionはとても簡単にインストールできた,というお話.
昨年末にOSCARで苦労していた.
OSCARはPCクラスタを組むためのソフトウェアパッケージで,複数のPCで並列計算させたり,たくさんの計算ジョブを実施したりするためのもの.研究室で比較的安いPCをたくさん買って,コンピューターシミュレーションをばんばん実施するために導入した.
同じ目的に使えるソフトウェアはいろいろあるが,OSCARを選択したのはUbuntuで使えるから.Ubuntuは研究室でここ2年ほど使っている.
しかし実際にOSCARを使ってみて分かったのは,PCクラスタは自分でコンパイルしたプログラムを実行するために使うものだから,ふだん使い慣れているOSを選ぶ意味があまりない,ということ.
Ubuntuをふだんの研究活動に使うためのノウハウはここ2年間で蓄積されてきたが,PCクラスタを利用するときにはそのノウハウがあまり役に立たない.それよりもクラスタそのものが使いやすいとか,保守しやすいなどの方がずっと重要.
昨年末から始まった研究プロジェクトで専門業者が組んだPCクラスタを導入する予定があり,それにはCentOSが使われているとのことだったので,CentOSベースで,OSCARよりも導入実績が多いらしいRocks Cluster DistributionというPCクラスタソフトに乗り換えてみた.
研究プロジェクトの都合もあるので,さっさと動かせるようにしたいと思い,ウェブサイトからRocks Cluster Distributionのjumbo DVDイメージをダウンロードしたのが31日の11時頃.
DVD-Rにイメージを焼き付け,Users Guideを印刷して,その最初から22ページまでに書いてあるインストール手順を順番にやったら,
…あっさりインストールできて,14時前にはちゃんと動くPCクラスタが構築できた.簡単じゃん!
あのOSCARに苦しめられた日々は何だったのか.
MPIのごく簡単なテストプログラムは走った.OpenFOAMのコンパイルも簡単に通った.現在,以前に計算速度の比較に使ったOpenFOAMの解析テストを実施中.安いPCを並べただけの素人クラスタで,どのぐらいの速度が出るのだろうか.楽しみだ.
OSCARの名誉のために付け加えますが,OSCARも元々はRed HatやCentOSとともに使われることを想定して作られたPCクラスタソフトで,Ubuntuでのサポートははじまったばかりです.だからCentOSにOSCARをインストールしたなら,簡単にできたのかもしれません.
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