先週のことですが,口頭発表をこなしてきた経験を買われて,会社経営に携わっている知人のプレゼンテーション用スライド作成をお手伝いする機会がありました.会社の経営計画を人前で話すためのものです.
といっても,ずーっとアカデミックな職業に従事してきた金野ですので,経営のことは門外漢です.学生時代からこれまでに培ってきた口頭発表の経験やノウハウを使えるなら使ってもらおう,と思っていました.
あとで聞いた話だと,その方のプレゼンテーションはかなり好評だったようです.
スライド作成をお手伝いするときに金野が伝えたことは,ストーリーを語ることや,流れを大事にすることでした.
他社の発表は流れが途切れがちで,ストーリーが一貫していないものが多かったのだそうです.知人の発表は,スライドの見栄えはいまいちだったと思いますが (そこまで手が回らず),ストーリー構成や発表の流れは何度も検討して練り上げました.それが聞いている人たちに伝わり,良い評価を得たのだと思います.
その知人はPowerPointの使い方を書いた本も買って読んでいました.金野も見せてもらいましたが,技術的なことや見栄えを良くするテクニックは載っていても,スライドを作る上での考え方は書かれていませんでした.
金野が学生のときは,ご指導いただいた加藤先生や山口先生,先輩方に,口を酸っぱくして「ストーリーが大事だ」と言われ続けました.発表練習のたびにスライドを1枚1枚検討していただいて(しごかれたとも言う),とても勉強になったと思っています.今回はそのときに学んだことを伝えただけです.
会社の経営計画のプレゼンであっても,研究発表と本質的なところは変わらないんだなぁと意を強くしたのでした.金野は毎年,研究室の学生さんたちに発表の技術などを講義していますが,「ここで学んだことは就職してからも役に立つぞ」と自信を持って伝えることができそうです.
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