2010年3月20日土曜日

WordにGnuplotの図を貼り込む・(不完全な)解決篇

WordにGnuplotの図を貼り込む・課題篇」の続きです.Gnuplotで作った図をWordに貼り込んだところ,Word画面ではきれいに見えていてもPDFに変換するととても汚いので,何とかしたい,というお話でした.

その後ネットで調べ,自分でもいろいろ試しました.その結果現時点では,Gnuplot 4.4.0を使い,EMFファイルを吐かせて,Wordに貼り込むのが良いようだ,との結論に至っています.

Gnuplot 4.4.0は3月13日に出たばかりのようです.Gnuplot 4.2.4だと,通常のEMFターミナルはちゃんと動作してきれいなグラフが得られるのですが,enhancedを使うとその部分が消えてしまいます.4.4.0だと消えることはありません.
(画像の左下のグラフと,右下のグラフとを比べてください.なお,4.2.4で作ったEMFファイルでも,OpenOffice.orgに貼り込むとちゃんと表示されるそうです.)

ですが,emfターミナルでenhancedの機能をxlabelで使ったところ,ものすごく左にずれて表示されました.たとえば↓この例.

set xlabel "Total of Projection Area Times Drag Coefficient ({/Symbol \345} C_DA) [m^2]"


↑この例だと,warningが出て,x軸ラベルが表示されません.いろいろ調べたところ,左にずれすぎて表示されていることが分かりました.そこで,↓

set xlabel "Total of Projection Area Times Drag Coefficient ({/Symbol \345} C_DA) [m^2]" 6


↑このようにx軸ラベルを右にずらすオプションを使って,位置を調整すると何とかなります.(末尾の"6"に注目)

Gnuplotに詳しくない人向け注記:Gnuplotで「ターミナル」とは出力装置を指します.画面のこともファイルを指すこともあります.また一部のターミナルではenhancedオプションがあり,これを使うとギリシア文字や上付き,下付き文字などを使えるのです.

まだ分からないことがあります.emf enhancedターミナルでは上付き,下付き文字とSymbolは使えましたが,文字を斜体にする方法が分かりません.postscript eps enhancedでは,Helvetica-Obliqueフォントを指定することで斜体を使っていました(画像の左上のグラフ).まぁ,Adobe Illustratorで変換すると斜体が斜体でなくなるので(画像の右上のグラフ),同じことかもしれませんが.
(不完全な)解決篇という題にしたのは,EPSでできていたことが全部できるようにならないと,金野としてはソリューションを見つけたことにならないかな,と思ったからです.

まぁしかし,これでWordでの論文執筆にGnuplotのグラフを使う目途が立ちました.良かった.Gnuplotはもう20年ぐらい使ってきているので,これより簡単にきれいなグラフを作れるソフトでもない限り乗り換えられませんから.

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