2014年10月27日月曜日

「絵とき 機械工学のやさしい知識 改訂2版」が出版されました!

オーム社さんから「絵とき 機械工学のやさしい知識 改訂2版」が出版されました!


第1版は(故)小町弘先生と吉田裕亮先生の手によるもので,1990年に出版されています.それから24年が経ち,内容を改めるにあたって,都立足立工業高校の櫻井美千代先生と金野がお手伝いしました.

金野は1,2,6,7章を担当しました.この章の写真集めや撮影に,工学院大学の先生方や,うちの研究室の学生さんにご協力いただきました.この場を借りて御礼申し上げます.

機械工学をこれから学ぶ学生や,若い技術者の方にとって役立つ内容になっていると思います.改訂前と同じ価格(税抜きで2,700円)で購入できます.
先日出版された本は,高価だったので安易にお勧めできませんでしたが,今回はお勧めしても怒られない価格かと思います.

書店などで是非お手にとってご覧下さい.

絵とき 機械工学のやさしい知識(改訂2版)
小町 弘 吉田 裕亮 金野 祥久 櫻井 美千代
オーム社

2014年10月26日日曜日

キャビテーションについて・お問い合わせになる前にお読みください

以前にキャビテーションの研究をしていたため,現在でもキャビテーションについて,たまに問い合わせを受けることがあります.しかし多くの場合は「それは私には分かりません」または「それはキャビテーションじゃないと思います」と答えることになるので,心苦しく思っています.

お問い合わせになる方は,事前にこの記事をお読みいただけると幸いです.

1.金野はキャビテーションの研究から,10年以上離れています.

金野がキャビテーションの研究に関わったのは,2000年までです.2001年からポスドク研究員として氷海技術に関わる研究プロジェクトに傭われ,キャビテーションの研究から離れました.
現在はキャビテーションの研究をしておりません.

なお,キャビテーションの入門的な知識は,下記のページにまとめてあります.
研究テーマ: キャビテーションによる壊食現象

2.金野が学んだ「キャビテーション」とは,流れの中で圧力低下によって液相が気相に変化する現象です.

(上記の定義を,説明の便宜上「定義1」と呼びます.)

一部の書籍では,空中から水中になにかが投げ入れられたり,飛び込んだりしたときに,水中に気泡が観察される現象を(も)「キャビテーション」と呼んでいるものがあるそうです.
(「定義2」と呼びます.)

私は定義2をキャビテーションと呼ぶのは間違いで,定義1のみをキャビテーションと呼ぶのが正しいと思っています.

またいずれにせよ,金野は定義2で示される現象の専門家ではありません.ですので定義2のような現象についてお問い合わせいただいても,適切な回答ができないと思います.

3.観察される現象が,上記の「定義1」と「定義2」のどちらなのかを見分ける方法は?

定義1,2のどちらの現象も,液中に気泡が観察されるので,見分けづらいかもしれません.見分けるポイントをご説明します.

圧力が回復したとき,気泡がすぐに消える,またはすぐに非常に小さくなる.→定義1と考えられます.

圧力が回復しても,気泡が消えず,ある程度の大きさのまま浮き上がる.→定義2と考えられます.

定義1の現象で発生した気泡は,中身が液相が気相に変化して発生した気体です.液相が水だったら,気相は水蒸気です.圧力が元に戻ると,気相は速やかに液相に戻りますので,気泡はすぐに収縮します.
「速やかに」というのは,マイクロ秒のオーダーです.通常のビデオカメラで観察できるスピードではありません.一瞬で泡が消えたように見えるはずです.

定義2の現象は,泡が水中に残ります.泡の中身は空気で,水蒸気ではありません.ですので圧力が高くなっても,泡は消えずに残り,水面に向かって浮き上がります.
(圧力の高低によって体積は変動します.)

4.専門的な補足

少し専門的なことを補足します.

○定義1の「流れの中で」という言葉について

キャビテーション(定義1)は,流れが原因で圧力が低下し(ベルヌーイの定理に基づく),液相が気相になる現象を指します.

流れ以外の原因で圧力が下がり,それによって液相が気相になるのは,減圧沸騰と呼ばれる現象です.これはキャビテーションとは区別されます.

○定義1の場合に「またはすぐに非常に小さくなる」と補足してある理由

定義1の場合に,圧力が回復したとき,気泡がすぐに消える,またはすぐに非常に小さくなる,と述べました.この「またはすぐに非常に小さくなる」のところを説明しておきます.

キャビテーションが原因で水中に溶け込んでいるわずかな空気が集められて,小さな気泡が残る場合もあります.この場合,キャビテーションで発生する気泡に対して,残る気泡はごくごく小さいものです.

○自由表面の影響

定義1の現象には,自由表面の有無は現象に直接影響しません.(ただし,重力場の下では水面に近い方が圧力が低いので,水面に近い方がキャビテーションが起きやすいです.)

定義2の場合は,自由表面が無ければ,気泡は発生しません.物体が水中に飛び込むときに空気を巻き込むから気泡が観察されるわけで,巻き込む空気がなければ気泡は観察されません.

以上,金野がかつて学んだ知識をもとに書いてみました.お役に立てば幸いです.

2014年8月22日金曜日

マウスを換える

大学で使うマウスを換えました.

上の写真の,左がこれまで使ってきたMicrosoft Natural Wireless Laser Mouse 6000というもの.2007年か08年から使っているはず.
ご覧の通り,くせのあるマウスで,手のひらを立てた状態で持つ.左右対称のマウスは長時間使うと手首が痛くなることがあるが,このマウスは手首に負担があまり来ないので,重宝した.

ただホイールがだんだんへたってきて使いにくくなるので,何度か新しいものに買い換えている.生産中止になってからも,売っているショップを見つけて購入してきた.

ついに売っている店を見つけられなくなり,仕方なくホイールが回りづらいマウスを使い続けていたが,このほどやっと,Microsoft Sculpt Ergonomic Mouseに交換した.上の写真の右.
まだ使いはじめたばかりだが,おおよそ同じ感覚で使えている.

マウスとキーボードは,手に馴染んだものを使うようにしている.このマウスも,以前のNatural Wireless Laser Mouse 6000と同じように手に馴染んでほしい.

昔のマイクロソフトのなすび型マウスがとてもがんじょうで,まったくへたることなく使えたので,金野はマイクロソフトのマウスを高く評価している.ライバル会社の高級マウスが,比較的早くへたって使えなくなったのも理由のひとつ.(しかしノートPC用は,ライバル会社のものを使っています.)

そうは言っても,さいきんのホイール付きマウスは機能が多いぶん,壊れたりへたったりしやすい.マウスは消耗品だと思うようにしています.

交換用のマウスを買ったのは,かなり前.昨年度の予算で買ったはず.
使っているパソコン切替器が古く,さいきんの多機能マウスに対応していなかったので,切替器も買い換える必要があった.さいきんやっと買い換えたので,マウスもそれに合わせて交換した次第.

でも,切替器のマウスエミュレーション機能を無効にしないと,マウスカーソルがまともに動かなかった.もしかしたら前の切替器でも,マウスエミュレーション機能を無効にすれば動いたのか? だとすると余計な投資だったかも.(交換し終えたので検証はしない.)

2014年8月21日木曜日

生物模倣技術と新材料・新製品開発への応用

生物模倣技術と新材料・新製品開発への応用」という書籍の一部(ほんの少しだけ.第1章第3節)を担当しました.

お値段の張る本なので買ってくださいとはお願いしにくいですが,目にする機会があったらご覧ください.


2014年8月20日水曜日

ナイトサファリ

8月11日~16日までシンガポールに出張していましたが,学会は15日の夕方に終わったので,夜にナイトサファリに行ってきました.
仕事が終わってから行ける観光スポットがあるのはいいですね.ラッキー.

しかし激混み.日本の休みのシーズンだったからだと思うが,日本人多数.
あとインド系の人もたくさん.

あとから分かったのだが,日本人が窓口でチケットを買うのに苦戦するため,窓口が混雑するらしい.
日本語での説明付きのトラム(乗り合いバス)があるのだが,すごく混んでいたので18時の時点で21時半の便しか空いていない.そのことを窓口で説明されるのだが,その説明の英語を理解するのに苦しむようだ.

やっぱり英語は大事.ナイトサファリの混雑緩和のために,英語を勉強しよう.

金野も日本語説明付きのトラムは予約できなかったので,一般のトラムに乗って,英語の説明を聞きながら回った.英語だと動物の名前が,メジャーなものしか分からないのでちょっと残念.でも説明の半分ぐらいは「写真を撮ってもいいけどフラッシュを使うな」という警告でした.

メジャー中のメジャー,ライオン.これはさすがに説明不要.
30メートルぐらい? 先に,檻に囲まれずにいる.(もちろん各種の安全対策が施されている,はずです.) ザ・ライオンという感じのふさふさのたてがみがあって,貫禄ありました.右側の雌はたぶん奥さんなのでしょう.

写真はコントラストを補正しています.実際にはわずかな明かりしかなく,人間の目で見えても,写真ではほとんど見えません.人間の目は優秀ですね.

バク.これはトラムのすぐ脇を歩いていた.(この写真もコントラストを補正しています.)

サイがなかなかグロテスクでした.写真は補正してもなんだか分からないものしか撮れず.
ほかにも,インド象,キリン,カバなどメジャーどころと,各種の鹿,オオカミなどがいました.

商売柄,寒い地方への出張は多いですが,東南アジア方面に行くことは滅多にありません.今回はよい経験ができました.

2014年8月19日火曜日

シンガポールの夜景

8月11日~16日までシンガポールに出張していました.22nd IAHR International Symposium on Iceに参加するためです.
うちのM2,石橋君は講演もしました.

11日の夜に現地に着いて,12日の朝から15日の午後まで学会に参加して,16日の朝の便で帰ってきました.初代マーライオンが見たかったけど,見られず.

14日にはバンケットがあって,その会場から海のほう(セントーサ島)まで行くケーブルカーの1日券をもらったので,3回ほど乗り,シンガポールの風景を楽しみました.

1回は暗くなってから,バンケットをこっそり抜け出して乗りました.
上の写真はそのケーブルカーでセントーサに行って,タイガータワーに登って撮ったものです.

タイガータワーは,大きなゴンドラがまわりながら130メートルほど上がって,上空でぐるぐる回って,降りてくる,というものです.夜なのでシャッタースピードが遅くなるから,カメラを固定してシャッターを押すと必ずぶれる.ゴンドラの回転に合わせてカメラを動かしてとりましたが,なかなかうまくいかず.
上の写真は,たくさん撮った中でぶれが少なかったもの.コンパクトカメラで撮ってもきれいですね.

セントーサの大きいマーライオンは,ケーブルカーから横顔と後ろ姿だけ見ることができました.

2014年8月5日火曜日

定年坂を登る

今年の前期の間は,八王子校舎の下の方(総合教育棟や生協など)から上の方(8号館など)に登るとき,エレベーターを使わずに坂を登るように心がけていました.
記憶が正しければ,エレベーターは一度も使わなかったはずです.

去年の前期はまったく逆で,いつもエレベーターを使っていました.
授業用ビデオ教材を撮影していて,寝不足で疲れているから,などと言い訳していた気がします.

(中の人にしか分からない説明ですが,)
まず大学生協の脇から,スチューデントセンターのエレベーターで,いちばん上まで上がります.そこから水平に移動して,17号館のエレベーターで1階登ります.そして17号館の裏側に出て,12号館と13号館の間を抜けると,5号館下の階段のところまで出ます.そこからは徒歩で上がっていました.

その結果もあるでしょうが,かなり太りました.
その後の不摂生と年末年始の食っちゃ寝生活を終えた時点で,体重が約80キロに!

そこから慌ててダイエットを始め,いまは72~73キロです.
ダイエットの顛末は機会があったら書きますが,4月に授業がはじまったときに,「今年はエレベーターを使わないようにしよう」と決めたわけです.
4ヶ月,何とかやりきりました.

あの坂は,教職員の間では「定年坂」と呼ばれています.歩いて上がれなくなったら定年間近,というわけです.
金野はまだ定年まで20年以上あるのですが,去年の今ごろはやばかったかなぁ.

今後もなるべく歩きます.