「大学破綻―合併、身売り、倒産の内幕」は,タイトルは過激かもしれませんが,内容はごくまじめな,大学の運営に対する提言をまとめた本です.
著者は桜美林大学などで大学経営に関わられた諸星裕氏.
提言の内容も,企業の経営に携わる方々から見るともしかしたらオーソドックスなものかもしれません.曰く,ミッションを確立せよとか,ニーズにマッチした授業を行えとか,大学のレベルにあった顧客(学生)を集めよ,などなど.
しかし実際に大学にいると,この普通のことが難しいのですよ.正直,レベルの高い学生がほしいし,入学生のレベルと出口でのレベル保証とを考えると,4年で卒業させるにはハードな授業も行わざるを得ない.
なのでこの本は,ほろ苦いおもしろさを感じる本でした.たとえば「レベルの高い学生がほしい」と思うことはうちの大学にとってよいことなのか,どうか? などと考えさせられました.
教員がひとりで悩んでもしかたのないことかもしれませんが,大学のミッションを理解し,それに合うような授業ができるように取り組むしかないですね.
来年度もがんばろう.
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